皮膚の病気 口角炎と口内炎

口角炎について

口角炎は口角の部分だけが切れてジュクジュクとしたり、痛んだりします。疲れやストレスによる免疫低下が原因ではないかと考えられていますが、詳しいことは分かっていません。

睡眠や食生活などの改善をまず考え、口唇炎と同じように、歯磨き粉やクレンジングなど刺激になるものが患部に触れないよう気をつけましょう。

口角炎は切れた患部にカンジダ菌がつくことがありますから、治りにくい場合は皮膚科を受診しましょう。皮膚科では、ステロイド剤や保湿の塗り薬等が処方されます。

口内炎について

口内炎になると、口の中に白く丸い発疹のようなものができ、痛みます。誰でも経験したことのあるありふれた疾患で、その原因は疲労やストレスによる免疫低下、老化やストレスによる唾液分泌の低下による口腔内の乾燥などであると考えられています。

胃腸障害や、入歯や歯並びが原因で、ある部分だけがいつも歯肉にあたること、歯の磨き方が悪いことや喫煙のため口腔内に雑菌が多い、あるいはビタミンB6の欠乏なども原因になると考えられています。

頻繁に口内炎が出来る人は、口腔内に何か不具合がないか点検し、生活改善を心掛けましょう。また、一度に何十か所も口内炎ができる人は全身疾患の可能性もありますから、皮膚科で検査を受けるようにしましょう。

 

皮膚の病気 口唇炎

口唇炎は外的な刺激やストレス、免疫低下などが関係して起こる唇にできる肌荒れのようなものですが、はっきりとした原因は分かっていません。

 

ハチミツで強力に除菌を

唇が荒れ始めたらまず、睡眠や食生活を見直すことが大切です。リップクリームは刺激になることがあるので、ワセリンに替えてみましょう。唇が荒れてジュクジュクしている場合は雑菌がついていることが多いので、除菌のために、強力な除菌作用のあるハチミツを使うのがお奨めです。

 

皮膚科で貰える薬は?

こういった民間療法でもなかなか治らないときは、皮膚科を受診しましょう。皮膚科では、殺菌のための抗生物質、炎症を抑えるステロイド剤や保湿の塗り薬などが処方されます。荒れた唇は触ると悪化するので、湿らせたり、舐めたりせず、乾きが気になるときは、ワセリンを塗り、なるべく触らないようにしましょう。

 

歯磨き粉、リップクリームにも注意が必要

洗浄剤やメントールが刺激になる歯磨き粉は唇の荒れているときは、使う量を減らし、口の周りにつかないように気をつけましょう。唇の荒れの原因が紫外線であることも考えられますが、UV効果のあるリップクリームは刺激が強く、唇の荒れているときにはよくないでしょう。

むしろ口紅のほうが、国産の敏感肌用のものであれば成分の面からみても唇を荒らす原因にはならないものです。唇に薄くパウダーファンデーションをつけ、その上から、ワセリンを混ぜた口紅を塗ると、唇が乾きにくくなり、紫外線をカットする効果も期待できます。

リップグロスは、その質感から唇の保湿になると思いがちですが、ミツロウと脂などを練って色素を加えたもので、油ではありません。増粘剤という物質は、口紅より刺激が強いので、唇が荒れているときには、リップグロスの使用は控えましょう。

また、食事中にティッシュペーパーで口を拭く習慣のある人は、紙の繊維が肌への刺激になりますから、ハンカチなどを使うようにしましょう。

 

歯並びの悪さが原因になることも…

歯並びが悪くて唇の閉じ方が不十なことが口唇炎の原因になることもあります。そういう人は歯科を受診しましょう。

唇は顔の肌より皮膚が薄いため、クレンジングや洗顔料の洗浄成分が唇につくと荒れの原因になります。なるべくクレンジングはマイルドなものに替えて唇につかないよう気をつけましょう。最後に、口唇ヘルペスは放置していても1~2週間で自然に治る、唇の左右片側だけに水疱ができるという特徴がありますから、口唇炎と間違わないようにしましょう。判別が困難なときは必ず皮膚科を受診しましょう。

 

皮膚の病気 湿疹・皮膚炎

湿疹には、誰にでもできる普通の尋常性湿疹と、かぶれと言われている接触性皮膚炎があります。ここで言う湿疹と皮膚炎は、同じ意味です。皮膚にできる原因となる刺激物質が、特定できない、かゆいものを、一般的に湿疹とよんでいます。

 

急性湿疹、亜急性湿疹、慢性湿疹

そして湿疹には急性湿疹、亜急性湿疹、慢性湿疹があります。発症して数日以内のものが急性湿疹で、赤みを帯びていて、少々晴れており、この段階でステロイドの外用薬を使うと、よくなります。急性期を過ぎたものが亜急性湿疹で、皮膚は硬くなり、色は黒ずんできます。

一週間以上経過したものは慢性湿疹といい、皮膚は厚く、黒くなっていきます。衣類や化粧品などの外的な刺激物に気をつけ、なるべく早期にステロイドなどの塗り薬で痒みを抑える処置をしましょう。慢性化すると治りにくいものです。

 

接触性皮膚炎

さて、その原因が何かものに触れることで起こったと分かっている皮膚炎は、接触性皮膚炎といいます。一般的にはかぶれと言われているもので、その代表的なものに、アクセサリーによる金属かぶれや、化粧品によるかぶれなどがあります。

皮膚が赤くなったり、痒くなったり、水疱ができたりといった症状がみられるのですが、原因となっているものが見過ごされ、アトピー性皮膚炎と誤診されてしまうことがよくあるものです。

接触性の皮膚炎で、見逃されやすいものとして、瞼の部分に慢性的な湿疹ができる、ビューラーかぶれがあります。ジーンズの金具や、ベルトのバックル部分の金属が原因なって、腹部に湿疹ができるバックル皮膚炎などというのもあります。

また、怪我などの処置で長期間消毒薬を使っていると、消毒薬にかぶれてしまうこともあります。消毒薬の使いすぎにも注意が必要です。

携帯電話や、マウスパッドなど、日常的に触れているものでかぶれることもあります。接触性皮膚炎は原因を除去すればよいのですが、案外その原因を特定することが難しく、診断しにくいものでもあります。

アレルギー性の接触性皮膚炎と、そうでないもの

接触性皮膚炎の中に、アレルギー性の接触性皮膚炎と、そうでないものがあります。アレルギーによるかぶれとは、特定の物質にアレルギーを持つ人がそれに触れることで起こすもので、前述のアクセサリーなどによる金属アレルギーや、化粧品の成分に対するアレルギーなどがそれにあたります。

非アレルギー性接触性皮膚炎

アレルギーは生まれつきの体質であるとは限らず、大人になってから急にかぶれたりすることもあります。このように、普通の人が触ってもかぶれないのに、特定の人だけがかぶれるというものを、アレルギー性の接触性皮膚炎というのに対して、物質そのものの刺激により、誰でもが長時間触り続けるとかぶれてしまうものを、非アレルギー性接触性皮膚炎といいます。台所用洗剤や、漂白剤、パーマ液などによるかぶれがこれにあたります。下着や服の襟やブーツなどの接触部分の摩擦で起こるかぶれなどもアレルギーではないかぶれです。接触性皮膚炎の対策は、接触原を断つことです。