皮膚の病気 湿疹・皮膚炎

湿疹には、誰にでもできる普通の尋常性湿疹と、かぶれと言われている接触性皮膚炎があります。ここで言う湿疹と皮膚炎は、同じ意味です。皮膚にできる原因となる刺激物質が、特定できない、かゆいものを、一般的に湿疹とよんでいます。

 

急性湿疹、亜急性湿疹、慢性湿疹

そして湿疹には急性湿疹、亜急性湿疹、慢性湿疹があります。発症して数日以内のものが急性湿疹で、赤みを帯びていて、少々晴れており、この段階でステロイドの外用薬を使うと、よくなります。急性期を過ぎたものが亜急性湿疹で、皮膚は硬くなり、色は黒ずんできます。

一週間以上経過したものは慢性湿疹といい、皮膚は厚く、黒くなっていきます。衣類や化粧品などの外的な刺激物に気をつけ、なるべく早期にステロイドなどの塗り薬で痒みを抑える処置をしましょう。慢性化すると治りにくいものです。

 

接触性皮膚炎

さて、その原因が何かものに触れることで起こったと分かっている皮膚炎は、接触性皮膚炎といいます。一般的にはかぶれと言われているもので、その代表的なものに、アクセサリーによる金属かぶれや、化粧品によるかぶれなどがあります。

皮膚が赤くなったり、痒くなったり、水疱ができたりといった症状がみられるのですが、原因となっているものが見過ごされ、アトピー性皮膚炎と誤診されてしまうことがよくあるものです。

接触性の皮膚炎で、見逃されやすいものとして、瞼の部分に慢性的な湿疹ができる、ビューラーかぶれがあります。ジーンズの金具や、ベルトのバックル部分の金属が原因なって、腹部に湿疹ができるバックル皮膚炎などというのもあります。

また、怪我などの処置で長期間消毒薬を使っていると、消毒薬にかぶれてしまうこともあります。消毒薬の使いすぎにも注意が必要です。

携帯電話や、マウスパッドなど、日常的に触れているものでかぶれることもあります。接触性皮膚炎は原因を除去すればよいのですが、案外その原因を特定することが難しく、診断しにくいものでもあります。

アレルギー性の接触性皮膚炎と、そうでないもの

接触性皮膚炎の中に、アレルギー性の接触性皮膚炎と、そうでないものがあります。アレルギーによるかぶれとは、特定の物質にアレルギーを持つ人がそれに触れることで起こすもので、前述のアクセサリーなどによる金属アレルギーや、化粧品の成分に対するアレルギーなどがそれにあたります。

非アレルギー性接触性皮膚炎

アレルギーは生まれつきの体質であるとは限らず、大人になってから急にかぶれたりすることもあります。このように、普通の人が触ってもかぶれないのに、特定の人だけがかぶれるというものを、アレルギー性の接触性皮膚炎というのに対して、物質そのものの刺激により、誰でもが長時間触り続けるとかぶれてしまうものを、非アレルギー性接触性皮膚炎といいます。台所用洗剤や、漂白剤、パーマ液などによるかぶれがこれにあたります。下着や服の襟やブーツなどの接触部分の摩擦で起こるかぶれなどもアレルギーではないかぶれです。接触性皮膚炎の対策は、接触原を断つことです。